カテゴリ:自作リカンベント( 4 )

2016年 09月 27日
じさくりかんべんとが かんせいしました
やっとSteadyCat.Works.の最新鋭リカンベント

Lilium2

完成しました。
d0088420_00425455.jpg
 ジャジャーン!

 ということで今日部屋から出してロールアウト,その後写真とって30kmほどシェイクダウンしてきました。
めっちゃかっこいい… (自画自賛)
d0088420_00443001.jpg
 後ろからのスタイルがまたイカス。(自画自賛)
d0088420_00451118.jpg
 真横から。(色調補正かけてるので色合いがちょっとへんです。)

 というわけでテスト走行のインプレッション。
本当にいい意味でなんのストレスもなく走り出せました。乗りやすさでいえば一号機をそのまま踏襲している感じで,着座高といい,リクライニング角といい,狙い通り。
 それと,フレームのパイプ径を増大させたことで,一号機の欠点だった横方向の剛性はほぼ完璧なレベルで強化されました。踏んでもしっかりとチェーンが引っ張られます。ついでに縦方向の剛性も上がっている感じです。これはちょっと意外な点でした。前の一号機はトラス組みフレームなんで,フレームそのものの縦方向の幅は大きいから,単管パイプの縦幅しかない二号機は縦方向はやわらかくなってるんじゃないかと推測していましたが,そんなこともなく,φ60mmの極太パイプに縦に補強板入れたこの二号フレームはしっかりと硬い感じがあります。一号機のほうがよほどシルキーな乗り心地です。よくよく見るとヘッドチューブ直後のパイプが,ヘッドチューブから釣り下がるようにシート下まで伸びて,シート下のパイプを吊り下げているので,この構造のせいで縦剛性が高く感じているのかもしれません。
 ということで思惑通りフレーム全体が強化された感じで非常にいい感じ。一号機のマイルドさと比較すると,路面の荒れによる振動が多少ダイレクトに伝わってきて揺さぶられる感じはありますが,それを差し引いても十分な乗り心地です。

 運動性についての印象は,着座高を多少下げて重心が下がったせいか,一号機に比べると舵角入れた後の車体の倒れこみがかなり早くなったように感じました。なんで,左右に細かく切り返すと,軽快にパタパタ左右に倒れこみます。運動性は上がっている割に,コーナーリングは十分安定します。また,直員安定性も十分高くて,ごくわずかに伸びたホイールベースのせいか,重心位置が変化したせいかはわかりませんがペダリングに影響されず安定して直進してくれます。ヘンにフラフラしない。フレーム剛性が上がったからってのもあるかもしれない。

 あとは,一号機よりもさらに巨大化させたアイドラーのおかげで,アイドラー周辺からの音がほぼしません。アイドラーの音って結構気になるのと抵抗感を感じるから,音がしないのはとても良いことなのです。ほかにも一号機から見直した部分を設計に大量に取り入れてるので,きわめてストレスフリーな乗り物になりました。

 大体自画自賛しかしていませんが!自分が乗りたいリカンベントとしての要求はなんとかLilium2に詰め込み終わったので,ほぼ煮詰まった感じがあります。集大成というか。もう少し乗らないとわからない部分もまぁありますが,ほぼ思惑通りにすべてが組あがって大満足であります。

 というわけでほぼ決定版のリカンベントがやっと完成したんで,暫くはこのLilium2に乗っていきたいと思います。
d0088420_01101724.jpg
さらに乗り込んだらまた記事を書きます。あと作り方も。(いつになるんだ)

[PR]
by steadycat | 2016-09-27 01:15 | 自作リカンベント | Comments(9)

2015年 12月 06日
リカンベントとは何か。その②
リカンベントを作ろう!という記事のためのリカンベント解説記事です。その①はこちらから。

リカンベントとは何か。その①

 さて今回はリカンベントに取り付けるパーツグループについて説明したいと思います。
極めて見た目が特殊な自転車であるリカンベント。バーツも極めて特殊なのでしょうかと言われたら、
実はそうでもないんですよ・・・。

さて相変わらず長文で独自研究ですが、興味ある人はごらん下しあ。



◆コンポーネントについて

 さて、リカンベントは形状が特殊な自転車なわけですが、当然使用されるパーツも特殊です・・・

 と、言いそうになりますが、実は言うほど特殊なパーツは使わず、ロードバイクやマウンテンバイクに装備されるコンポーネントと同様のものが使われます。よって、自転車の主要な駆動パーツは普通の自転車のそれと殆ど変わりません。

 使われるコンポーネントは乗り手のニーズによって様々ですが、基本的にロードバイクのコンポーネントよりマウンテンバイクのコンポーネントの使用率が高いです。理由としては、ダンシングができないので、登り坂などでは軽いギアをひたすら回して登らないといけないからです。重いギアだと、キツい坂のとき踏み切れないのです。とにかく低いギア比が必要なのであります。

 ギア比をきちんと考慮する事以外は、特殊なフレーム構造でもない限り、基本的なコンポーネントはスポーツバイクと全く代わりはしません。

 ということで、使うコンポーネントそのものは見た目以上に普通なのですヨ。

 まぁでも、当然全く同じってわけではなくて、普通の自転車と違う点が二つあります。
通常よりチェーンが長い場合があるのと、ケーブルが長くなります。フレームが長いから仕方ありませんネ。



◆チェーンマネジメント用のパーツについて

 一方、リカンベントで特殊なパーツといえば、まず「アイドラー」でしょうか。フレーム先端から後部までつながる長い長いチェーンを、フレームやパーツにぶつからない様に且つ、滑らかに受け流すための必須のパーツです。必須といいましたが実は必要としないリカンベントも存在します。

 こんな感じの丸いパーツで、
d0088420_22115628.jpg


 シート下あたりなどに取り付けてチェーンを受け流し、シートやチェーンステーを避けます。
d0088420_2212942.jpg

まるっこいのがシート下に二つ付いて、チェーンがかかっているのが判りますでしょうか。

 アイドラーの形も様々に存在していて、大きさが違うもの、ギア歯数が違うもの、フレームのメーカーが専用設計で出しているアイドラーもあれば、社外品の高性能アイドラーもあるなど、いろいろと種類があります。比較的消耗も早い場合が多いので、たいていアフターパーツとしてメーカーが販売しています。

 私の場合は、DMM3Dプリントを利用して、ナイロンでオリジナルのアイドラーを出力してもらい、使用しています。もし適合するアイドラーが販売されていなければ、今の時代はいろいろな手法を用いて作ることができます。ほかにも強度のある樹脂を削りだして作る方法もあります。無ければ自作という手もあるのが面白いところなのです。

 さらにフレームによっては、チェーンラインにもよりますが、用途によってアイドラーを増やしたり減らしたりできます。たとえば、フロントホイールを避ける為のアイドラーを減らしてフリクションを低減させ、高速仕様にすることもできます。ただしフロントホイールとチェーンが干渉するようになってしまうため、直線番長化してしまいます。まぁ乗り手のチューニング次第です。

 もうひとつ、チェーンマネジメントをするために必須なのが、「チェーンチューブ」です。
下写真だとちょっと判りづらいですが、チェーンステー上とフロントフォークのところのチェーンが黒いチューブで覆われているのが見えるかと思います。
d0088420_22182235.jpg

こっちが判りやすいかな。白いチューブです。
d0088420_22203518.jpg


 直径が15mmくらいのチューブを使い、中にチェーンを通します。素材はいろいろで、ナイロンやフッ素樹脂のチューブなど、抵抗が少なく且つ頑丈なものを使います。

 これを取り付けることで、フレームやパーツにチェーンが直接接触しないようにすることができます。また、リカンベントはチェーンが股の間を通り抜けたりするので、チェーンむき出しだとズボンや身体に接触し、最悪怪我することもあるので、チューブを使って覆い隠しておけば安全で汚れない、といった理由もあります。



◆シート周りについて

 リカンベント最大の特徴かもしれない、シート。当たり前ですがこれが無いとまず乗れません。
とはいっても、フレームセットと一緒についてくるので問題ありません。
たいていはグラスファイバーのFRP製であります。

 が、カスタムしたい人はここをカーボン製に変えたり、自分の好みのカーブを描いたシートに取り替えたりするわけです。また、ここはロードバイクでいうサドルみたいなもの。つまり座り心地やフィット感が、脚力を生かすか殺すかにかかわってきます。なので、シートを取り付ける金具を加工して好みのシート角度にしたり、シートに貼り付けるクッションを加工したり、複数のスポンジ素材を組み合わせて、適切な座り心地になるように工夫している人たちもいます。

 もうひとつ、シートにはヘッドレストがついています。頭を受けるためのパーツですが、これもセットについています。弄りたい人たちは、自分好みにクッション素材を見直したり、作り変えたりしている部分です。サイズが小さいので、工夫しやすい部分ではありますね。

 また、座面のリクライニング角度も乗り心地やリカンベントの味付けに非常に関わってきます。座席は基本的には立てたほうが乗りやすく、逆に寝かせば寝かすほど空気抵抗は減ります。一方立てれば立てるほど空気抵抗は増大し、寝かせば寝かすほどコントロールが難しい場合が多いです。

 そして、設計する時にも非常に重要なファクターを占めるのが、シートの背面と、座面からBBまで延ばした線との角度です。これが、脚力を推進力に変えるための非常に大きな要素になります。
d0088420_22505974.png

この部分の角度です。

 話によれば、130°付近が最適で、130°より角度が広がると、脚力が逃げてしまうという話もありますが、人によって変わってくるかなぁ、といった感じがします。角度が深ければ強く踏み込めますし、浅いとリラックスした姿勢になります。まぁ良い角度は自分で見つけるしかないです。ちょっとセッティングの話に逸れてしまいましたが、そういった要素を含めて、シートは選んで交換することができるパーツのひとつです。



◆ハンドル周りについて

 ほかに特殊なパーツといえば、ハンドル周りでしょうか。OSSタイプの場合、ハンドルポストを可動状態にするために特殊なステムを用います。下ハンドルの場合は体の幅より大きなハンドルが必要です。この辺はフレームセットと一緒についてくるパーツなのであまり気にする必要はないでしょう。また、壊れた場合でも対応できるよう、メーカーから消耗品としてハンドルセットが販売されています。ほかには社外品でも色々と出回っています。
 探せばフルチタンの超軽量なパーツも・・・



◆アクセサリー類について

 そんなことより、よっぽど"難儀"するものが「アクセサリー類」です。ライト、サイコン、バックミラー・・・ 普通、ハンドルに何もせず取り付ければ良い物が、すべて頭を悩ませる種となります。

 まずライト。基本的にOSSもUSSもハンドルに直に取り付けられません。OSSでハンドルにライトを取り付けると、太ももあたりの脚を照らし出して大変まぶしいです。

 仕方ないので、フロントのFDポストにアダプターを介して取り付けたりするしかないのです。
d0088420_22333375.jpg

こんなかんじ。他にも色々人によって工夫している事例が見られます。

 次にサイコン。フォークの位置とハンドルの位置が通常とは全く異なるので、無線タイプのサイコンは角度を工夫しないと電波を受信してくれません。また、有線式のサイコンは大抵はコードの延長を強いられます。

 あとはリアライトとか、ベルとか、ミラーとか、キャリアとか・・・他もろもろ・・・。形が違うので、通常想定されている取り付け方が出来ません。まぁどうにかこうにか、弄ればなんとかなりますが。
まぁある意味非常に工夫しがいがあるので、個性が出るところであります。



 さて、ざっくりとパーツの説明をしました。まぁ、ちょっと工夫すれば、ふつうのロードバイクとさして差が無いことがお分かりいただけたんじゃないだろうか(いやお分かりいただいて欲しい)。

 もしかしたら後で補足説明文を書き加えるかもしれません。

 さーて、ぼちぼち製作のほうの記事を書かなくちゃなぁ。
[PR]
by steadycat | 2015-12-06 23:18 | 自作リカンベント | Comments(0)

2015年 04月 13日
リカンベントとは何か。その①
 リカンベントを作ろうという記事を書くにあたって、まずもって

「リカンベントとは何か」

 書いておく必要がある気がしたので書き記しておくことにします。

 二輪タイプのみの説明で、トライクのような三輪車については記述してません。

 長文です。

 独自研究もあるのでそのへん割り引いてご覧下しあ。


◆リカンベントとは…

 リカンベント、英語で書くと 「Recumbent」 と綴り、
意味は、「寝そべった」 とか 「怠惰な」 といった意味になります。

まぁまさにその意味のとおりで、寝そべったような姿勢でペダルを漕いで進む自転車が、

d0088420_2195495.jpg


リカンベントなのです。




◆リカンベントの種類…

 さて、上の写真のリカンベントは 「TSUNAMI2026」 という極めてベーシックなフレームのリカンベントで、私が所有しているものです。「極めてベーシックなフレーム」 という表現を使用したのには訳があって、リカンベントには様々な形状と種類があるのです。調べると本当にたくさんの種類があるのですが、基本的には、「座席の高さ」 で大雑把に種類わけができます。というわけで落書きをまじえながら説明します。



1. ハイレーサー

d0088420_2324981.png


 車輪を前後輪とも700c~24inchで統一し、その車輪の頂点付近に座席を配置した、車高の高いリカンベントを「ハイレーサー」と呼びます。大径ホイールの路面走破性をそのままリカンベントに持ってきたためにこのような形態になっています。当然、高速巡航を得意とします。

 また、ジオメトリの関係上、ホイールの合間に座席を入れないため、チェーンラインが直線に近くなり、チェーンのフリクション低下にも役立っています。(例外在り) にしても、とにかくハイレーサーってのは車高が高いです。車輪が小さくないと足が地面に付かず、身長が高い方しか乗れません。



2. ミッドレーサー

d0088420_025012.png


 さて、リカンベントでもっとも種類が多く、豊富にラインナップがあると思われる種類が「ミッドレーサー」です。ミドルレーサーとも言いますネ。大体20inchホイールの上端あたりに、座席最下部が来るくらいの車高のリカンベントを指します。レーシング向け~ツーリング向けまで多種多様、フレーム構造も様々にあります。

 基本的な形態は、前輪は20inch、後輪は26inchか700cを履き、その合間に座席が入ります。前輪が小さい理由としては、クランク地上高やシート高を下げたり、クランクと座席の間を短くすることができる、といったことが挙げられます。身長が低くても乗れるような設計が出来るわけですね。また、クランク位置を下げて乗りやすく設計することができます。

 また他にも、前後輪とも26inch程度のホイールを使い、そのホイール間に座席を押し込んで着座高を抑えたものもあります。車種や設計思想にもよりますが、初心者にもすすめやすく、街中でも乗りやすい物が多いのがミッドレーサーです。



3. ローレーサー

d0088420_0241396.png


 リカンベントが「速い」といわれる所以をもっとも突き詰めた結果誕生したと考えられる物がローレーサーになります。前輪と後輪の間にほぼ完全に座席が納まり、手が容易に地面に付いてしまう程度に低いものを指します。高速走行をするために、自転車の天敵である空気抵抗を極力減らす工夫が随所にしてあり、極めてレーシーな設計をされた車両がほとんどです。

 見た目のとおり、座席なるべく寝かせ、着座高を下げ、相対的にクランクの地上高を搭乗者の体とほぼ同位置まで持ち上げることで、前方投影面積を減らし、乱流を防いで空気抵抗を減らしています。また、前後輪の間に体が納まることで、ホイールの生み出す乱流もある程度覆い隠すことができるわけです。物によってはさらにフェアリングなどの整流パーツなどを装備し、空気抵抗に打ち勝つ工夫をしているものもあります。まぁ最もリカンベントがリカンベントしている種類になりますネ。

 一方で、前輪のさらに向こう側にクランクが来るため、座席とクランクの距離がどうしても長くなり、脚が長くないと乗れない代物だったりします。



 とまぁ二輪のリカンベントは大雑把に分けて上記の三種類くらいに分けることが出来るのですが、まぁシート高もホイールの組み合わせもフレーム形状も、それこそ多種多様にあり、それによって車高は様々に存在するので、それぞれの線引きは極めてあいまいです。ぶっちゃけまぁ大雑把で良いんです。




◆操作系統について

 リカンベントを種類分けする要素として大事な要素のひとつが操作系統です。簡単に言うとハンドル周りです。これもまた面倒なことに複数種類があります。しかも、駆動系と切っても切れない関係のものがあります。ざっくり説明しましょう。



1. OSS ・・・ オーバーシートステアリング

d0088420_2315370.png
 座席の上側に小型のハンドルを配置したものを、「OSS(オーバーシートステアリング)」と呼びます。ステムにあたる部分から、ハンドルポストと呼ばれるパイプが伸び、その先にシフターやブレーキレバー、サイクルコンピューターなどが取り付けられる小型のハンドルが付きます。ハンドルポストは前方に倒すことが出来るように可動式になっている物が多いです。

 取り付けられるハンドルは一般的な自転車とは全く異なった形状をしていて、その多くはかなり横幅が小さく、ハンドルというよりはレバー類を取り付けられるグリップのような感じになっています。システムもレバー構成も、乗り手の好み次第で様々で、何か一定の基準のような構成はありません。しいて言うなら、ハの字ハンドルがメジャーでしょうか。

 また、一見普通の自転車に似た操作感が得られるように見えますが、全く違います。普通の自転車は左右にハンドルを「回し」ますが、このタイプは左右にハンドルを「振り」ます。右に行きたければ左にハンドルを「振り」、左に行きたければ右にハンドルを「振り」ます。長い棒の先で操舵するので、人によっては思った以上に慣れが必要な操作感です。ただし、これもステム角度、ハンドル構成、ヘッドチューブ角度で変化するものなので、一概には言えません。逆に乗りやすいものもあります。



2. USS ・・・ アンダーシートステアリング

d0088420_10475665.png
 座席の下側にハンドルを配置したものを、「USS(アンダーシートステアリング)」と呼びます。肩幅程度の幅の広いハンドルが、腰の左右あたりにグリップが来るような位置で配置されます。レバー類は座席の左右上方向に飛び出たハンドルの先に取り付けます。

 ハンドルとフォークの接続方法はざっと二種類あり、フロントフォークそのものに直接ハンドルを取り付けるタイプと、座席下にハンドル用の軸があり、そこにハンドルを取り付けて動かせるようにして、ハンドルとフォークはリンクロッドを使って繋ぎ、間接的に動かすものがあります。

 ハンドリングは見た目に反して意外と普通で、一般的な自転車と同じようにハンドルを動かし、操舵します。腰の横でブルホーンハンドルを握って左右にまわす感じでしょうか。個人的感想ですがOSSに比べると案外直感的に操作できる気がします。あと、くどいようですがハンドルシステムによってこれまたいろいろと違ってきますので一概には言えません。

 座った感じといえば、体の前に何にもないので非常に開放的です。何もなさ過ぎてなんか飛んできたら全身で受け止めそうで怖いくらいです。この開放感はとてもリカンベントらしい感じがします。

 一方で、USSタイプ共通の問題点があります。ハンドルを動かす場所の都合上、体とハンドルとの合間にそれなりのクリアランスが必要となるので、ハンドル分どうしても幅が広くなります。また、顔の周辺に何もパイプ類がないので、サイクルコンピューターなどのメーター類を取り付ける場所が限られます。ほかには、ハンドルの位置によっては若干跨り難いといった車両もあります。



3. オープンコックピットハンドル

d0088420_1555091.png
 幅の広い、肩幅くらいある大きなハンドルを、足をよけるような形で取り付けたものをオープンコックピットハンドルと呼びます。腕を前に突き出してハンドルを握るその姿からスーパーマンハンドルと呼ばれる場合もあります。

 座席に座ってハンドルを握ると、オートバイのチョッパーハンドルを握っているような感じになります。操作感覚はいたって普通で、OSSやUSSよりうんと操作しやすいです。ただしハンドルシステムによって(以下略。 

 また、腕を前方に突き出しグリップを握るので、ハンドルを引っ張ってクランクを踏み込むという動作が可能になります。OSSやUSSのようなほぼ操舵に特化したハンドルと違い、全身でパワーをクランクに伝えることができます。

 もう一つ利点として、腕を伸ばしてハンドルをつかんでいるので、腕で体を座席から引っ張り起こすことが可能です。これはハイレーサーのような足つきの悪いリカンベントの場合、停車するときにすぐに体を起こして足を付くことができ、とても楽で便利です。

 欠点としては、脚をよけてハンドルを配置する必要性がある以上、ハンドルの横幅がどうしても大きくなります。また、結構長いシフトケーブル類をうまくハンドルに這わせてあげる必要性もあります。



 操作系統はざっとこんな感じです。次に駆動系の説明をしますが、操作系統と絡めてお読みください。




◆駆動系について

 さて、次は駆動系のお話です。これもざっくり分けるとおおまかに三種類に分けられます。また、操作系統と関連して説明します。



1. 前輪操舵 - 後輪駆動

d0088420_23493558.png
 一番多い駆動方式がこれになります。考え方はいたってシンプル。前にあるクランクからチェーンを延ばしてリアホイールを駆動させます。

 このタイプは、操作系統と駆動方式にあまり関連性がないので、USS・OSS・オープンコックピットハンドルなど、いろんな組み合わせが存在します。

 一見シンプルな構造に見えますが、構成が見た目以上に厄介なのも特徴です。

 何故かというと、ハイレーサーのように、クランクからリアスプロケットまで邪魔するものがほとんど無いフレームならば、まっすぐなチェーンラインが取れ、構造も簡単に済みます。ですが、ミドルレーサーより座席が低い車両となると、クランクからリアスプロケの間で、座席が邪魔をしたりフロントフォークが邪魔をしたり、チェーンステーが邪魔をしたりして、まっすぐなチェーンラインをとることがそもそも無理になります。

 そこで、チェーンとパーツの直接の接触を防ぐため、抵抗の少ないチューブにチェーンを通したり、「アイドラー」と呼ばれるものを取り付けて、チェーンラインを大きく曲げるなどの対処をする必要があります。このチューブやアイドラーは、チェーンと常時激しく接触しているので、当然フリクションの原因にもなります。

 もうひとつの欠点として、この方式はとても長いチェーンが必要です。一般的なロードバイク用チェーンを2.5パック以上つないで使うことになります。チェーンの鎖が増えるので重量増大の原因ですし、懐に大ダメージです。

 とまぁ色々デメリットも多そうですが、考え方と構造そのものは非常に単純明快なので、整備そのものはしやすいです。



2. 前輪駆動 前輪操舵

d0088420_11733100.png
 リカンベントはクランクが前に来るので、駆動系をコンパクトにするのならば必然的に前輪駆動が良いわけです。そんな考え方から生み出されたのがこの駆動方式になります。

 操作系統は基本的にOSSが多いと思われます。オープンコクピットハンドルも使えるとは思います。ただし、USSタイプの例は自作したリカンベント以外で採用されているのを見たことがありません。

 前輪を駆動するので、クランクからヘッドチューブまでチェーンがのび、二個程度のアイドラーを使用して、ヘッドチューブ直下にあるホイールへほぼ90°にチェーンをまげて前輪を駆動させます。フロントフォークはリアハブが入り、ディレイラーが取り付けられるように専用設計されたものを使用します。

 そして、このタイプは駆動輪の前輪で操舵します。前輪にはチェーンがつながっていますが、ハンドルを回すと、ヘッドチューブからフォークのハブのところまでのチェーンが捩れます。この捩れに対応するために、いくつかのアイドラーを組み合わせて捩れに対応させます。

 当然チェーンの捩れの限界以上には操舵することができません。ですが、通常の乗り方に支障が出てくるほどではありませんし、十分操舵角をとることができるよう設計されています。

 ちなみにリアに使うホイールはフロントホイールです。要するに、フロント側にすべての駆動機構が凝縮されたような状態になりますネ。リアホイールまでチェーンが伸びないので、フロントフォーク周辺より後ろのフレーム構造は比較的自由に設計できます。長いチェーンに悩まされないので、折りたたみタイプのリカンベントなどにも採用例が多い方式です。

 複数のアイドラーで深くチェーンを曲げているので、フリクションロスが多そうですが、実際はそうでもないようです。



3. 前輪駆動 前輪操舵 (特殊)

d0088420_0335984.png
 さて、前輪駆動・前輪操舵は、フロント側に機構がすべて凝縮されるのでコンパクトと書きましたが、それをさらに最適化させたものが、この特殊な駆動・操舵方式です。

 まず、フレームが前部フレームと後部フレームに別れます。前後のフレームは、ヘッドチューブもしくは専用のピボットにて接続されます。前部フレームは普通の自転車のように、クランクからフロントホイールへ、チェーンを直接取り回して駆動することができるよう設計されます。その前部フレーム部分を丸ごとひっくるめて左右に動かして操舵します。後部フレームは座席とリアホイールを受け持ち、支えることになります。

 変わった構造で種類も多種多様にあるのですが、代表例を挙げると、二種類ほどに分けられます。

 一つは、ヘッドチューブがあり、それより前に駆動用フレームを構成しているもの。代表例としてCRUZ BIKEや、Zockra kouign amannがあります。

 もう一つは、フレームを真ん中、座席のお尻の下付近から折れ曲がるようにして前後のフレームに分け、前フレーム側に駆動系を組み込んでいるもの。代表例として、Python Lowracerや、Flevo Bikeなどがあります。

 さて、クランクごと前部フレームが動きますんで、脚ごと操舵します。というより脚を使って操舵します。ハンドルは操舵にほぼ関与しません。(ただし物による) ハンドルはシフターとブレーキを取り付けるためについています。この駆動・操舵方式のリカンベントの動画を見ると、完全に手を放した状態でくるくると走っている様子が見られます。





 ハンドルは操舵にあまり関与していないので、USSやOSSなど色々なハンドルがマシンの用途やニーズによって選択されています。色々な形式があり、ベーシックな形もありません。ただ、割とUSSが多い気がします。

 欠点としては、脚の間にホイールが来るので、ローレーサーになればなるほど脚の長さが必要となります。まぁそれ以上に操作に慣れが必要な車種のようです。



 さて、ロードバイクのような自転車と違って、駆動系と操作系統が多種多様にあり、しかも関連しているということがお分かりいただけたでしょうか。このへんがリカンベントの多種多様化の原因のひとつになっているように思います。




 ここまでざっくりとリカンベントの種類と形態、構造的な種類を紹介しました。次回は使うパーツやメカニカルな部分などについて説明したいと思います。
[PR]
by steadycat | 2015-04-13 01:22 | 自作リカンベント | Comments(2)

2015年 01月 25日
リカンベントを作ろう Vol.0
お久しぶりです白猫です。

しばらくの間このブログも本家ウェブページもほったらかして何をしてたかって言うと、
ずっと自作リカンベントを作っていたからでした。

そしてまぁ先日完成したわけです。

名称 「Lilium」

d0088420_1741051.jpg


d0088420_1745138.jpg


d0088420_17462049.jpg


トラス構造を基本に、自分なりの解釈を含めて設計製作したリカンベントです。

乗った感じは非常にスムーズ。路面を丁寧になぞって走っていく感じ。

製作期間は構想段階から設計製作まで含めてほぼ丸一年。
材料は最近流行の炭素繊維。

なぜ作ったかって?

そりゃあ、

自分でデザインした乗り物に

自分の全技術力を注いで作って

乗ってみたかったからだよ!

このリカンベントの個人的解釈を含めた設計理論と製作過程とかを、
自分の備忘録もかねてしばらく綴って見たいと思います。

d0088420_17505077.jpg


とりあえず、いつになるかはわかりませんが後で記事をまとめて本家サイトに綴ります。
ここに書いていくのは下書きに近いかな。

まぁ気になる人は追って行ってね。
[PR]
by steadycat | 2015-01-25 17:57 | 自作リカンベント | Comments(0)